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Syndromeな日々。

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蘭陵王SS(高長恭×雪舞)56。

2017/11/17
蘭陵王SS(高長恭×楊雪舞) 0
やったーーーーーーーww
とうとう「蘭陵王」(高長恭×楊雪舞)SS、56作目ですよっっ\(^o^)/
わわわ、めっちゃテンション上がりますっっww

いや…まさか、本当にここまで書き続けられるとは。。。
自分でも吃驚してますぅぅぅ!!
それに今月は「蘭陵王」SS2作、UPしましたよ(頑張ったぞ、私(ノ´▽`*)b☆)!!

でも、それもこれも。
やはり「蘭陵王」が神ドラマだから…でしょうね~(*^。^*)
蘭陵王×雪舞、最高最強カップルですーーーーーーヽ(≧∀≦)ノ

で、56作目のSSは、前回に引き続き現代ネタの【過去ツナグ未来】の7回目ですww

お待たせ致しましたーーーーっっ(>_<)
前回漸く前世を思い出した香桃(シャンタオ)。。。
どうなっちゃうんでしょうか??

ここで色々解ります。

ではでは、読んでみたい方は下へ…ε=┌(;・∀・)┘イッテミヨ!!








【過去ツナグ未来7】






誰かが呼んでいる声が聞こえる。

ピッ、ピッ、と音なる場所で、夢現(ゆめうつつ)の中でその声を聞き、大きく息を吸った。

「香桃(シャンタオ)!」

声が聞こえて、それが夫のものだとわかる。

心配そうな声。

重たい瞼を開けると、白い天井が見える。

その視線の先に苦渋に歪む顔が見えた。

「……で、んか?」

「!?」

「殿下、ごめんなさい」

私はまだはっきりしない意識の中で、いつの間にかあの人の事を呼んでいた。

でも、それはあの人ではなく、今の『夫』のものなのに。

あの人と夫が同じに―――重なって見えたのだ。

私は意識が混濁していたのだろう。

「ごめん、なさい……」

「もう、いいよ。今は休んで」

夫は優しく囁く。

その囁きで安心したのか、私の瞼はまたすぐに閉じらてしまった。






暫くして。

漸く私は置かれている状況を理解した。

私は、あの時、Emily(エミリー)に崖から突き落とされたのだった。

それを目撃した英雄(インション)がすぐに飛び込み、私を海から引き上げてくれてらしい。

そして、たまたまあの崖に散歩に来ていた人がアンビュランス―――救急車を呼び、私を病院に運んでくれたそうだ。

―――そうか、あの手は英雄(インション)のものだったのね……

あの時もそうだった。

周で、尉遲迥(うっちけい)に捕まった時も、あの人が助けてくれた。

デジャヴではなく。

本当にあった事だったのだ。

あのおばあさん、ううん―――おばあ様が見せてくれた事だったのだ。





「香桃(シャンタオ)、起きて大丈夫か?」

そう言って、英雄(インション)がミネラル・ウオーターを手にしながら、病室に入ってきた。

「うん、心配かけてごめんね。もう大丈夫!」

私は微笑みながら答える。

でも、それよりも。

―――彼女はどうなったの?

問いかけたくて、ちらりと視線を送ると彼が口を開いた。

「……彼女は、ポリス―――警察に連れていかれた」

「え?」

「君を引き上げた後、徳聖(ダーション)に頼んで彼女を追いかけてもらったんだ」

「じゃあ、彼女は今……?」

「留置場の中だ」

そっけない物言いだった。

でも、彼の目には、凄まじい怒りが篭っているのを感じた。

「……彼女は、あなたの事が好き、だったのよ」

私は俯きながら、ぽつりと漏らす。

「……そうみたいだな」

意外にも肯定の言葉が返ってくる。

「それも徳聖(ダーション)から聞いた」

「え!」

私が顔を上げると同時に、病室にノックの音が響いた。

「あ、はい」

返事をすると、彼―――『黄徳聖(ファン・ダーション)』が現れた。

「徳聖大哥(ダーション・ターゴー)……」

「香桃(シャンタオ)、大丈夫か?」

「はい。もうすっかり元気です!!」

私は笑顔でガッツポーズを作り答える。

擦り傷や、切り傷はまだ消えていなくて、包帯やテープが顔や身体中についているけれど、手脚は動くようになったのだ。

すると、彼は花を差し出してきた。

「はい、お見舞い」

「あ、ガーベラ……」

気分が明るくなるような、可愛いピンクと赤のガーベラの花束だった。

「あ、有難うございます」

嬉しくなって私は笑みを深くした。

すると、英雄(インション)が椅子を用意する。

「これに掛けてくれ」

「ああ、有難う」

徳聖(ダーション)は礼を言い、腰掛けた。

その隣に英雄(インション)も自分用の椅子も持ってくると、同じように腰掛ける。

それを見計らって、徳聖(ダーション)が口を開く。

「……とんだ災難だったな」

「え?」

「彼女の事……」

「あ、」

丁度今、英雄(インション)と話していたところだ。

「まさか、あそこまでするとはな」

「…ええ」

英雄(インション)が同意する。

そして、ゆっくり、英雄(インション)が私を見ながら言った。

「まさか、彼女が君を突き飛ばすなんて、思いもしなかった」

「そうだな」

「………」

本当にそうだ。

まさか、突き落とされるなんて。

私自身も吃驚した。

「彼女、君に好意をもっていたんだろ?」

徳聖(ダーション)は確信をもって言ってきた。

「……そう、あなたから聞きましたね」

答える英雄(インション)は、不機嫌そうな顔している。

「…全く気がつかなかった」

「え?!」

英雄(インション)の言葉に私は驚く。

「気がつかなかった、って……。彼女、あなたの恋人…じゃないの?」

「はあ? そんな訳ないだろ!」

英雄(インション)は興奮気味に反論する。

「だって…、彼女が言ったんだもん。英雄の恋人だって」

強い猜疑と怯えから、私は涙目になりながら訴えた。

「僕は、君を裏切るような真似をしていない!」

英雄(インション)は断言した。

それを聞いていた徳聖(ダーション)は、腕を組みながら、ぼそりと呟く。

「……なるほど、な。やっぱり、あの女の嘘だったか」

「嘘?」

「ああ。君が邪魔だったあのエミリーって女がついた嘘だった訳だ」



本当に?

嘘、なの?

だったら、あのメールは?



私の頭の中に次々疑問符が湧いてくる。

「まあ、詳しい事は、彼に聞くといい。今日のところは様子を見に来ただけだけだから、俺はこれで退散するよ」

「え、だって……」

「俺がいると、英雄(インション)も話し辛いだろうし、な」

そういって徳聖(ダーション)は英雄(インション)の方を見た。

「そうだな…。僕も香桃(シャンタオ)と二人で話がしたい」

「…だってさ」

徳聖(ダーション)はそう答えた彼の肩に手をやり、私に声をかけた。

「今日こそ、ちゃんと話しろよ?」

「あ、」

何で、わかったんだろう。

私がちゃんと話してないって事。

そう考えていると徳聖(ダーション)は笑顔を見せて帰っていった。


*** *** ***


「…ねえ、それで彼女の事、」

私は聞きたかった事を、矢継ぎ早に質問する。

「彼女は……僕に好意を寄せていた事は―――事実らしい」

「らしい、って……」

「僕も気がついていなかったんだ。興味もなかったし」

「……そうなの?」

ああ、と英雄(インション)は答える。

「でも、彼女私に言ったのよ。あなたが私と離婚したい、って言ってるって」

「そんな事言う訳ないだろ!!」

「でも、嘘じゃないもん! それに……恋人同士だって言ってたもん!!」

「はあ!? そんな筈ないだろ!」

「でも、そう言われたのよ!」

私はムキになって言い募った。



確かに彼女は言ったのだ。

英雄(インション)と自分は恋人同士だと。

すると、英雄(インション)は私の目を真っ直ぐ見て告げた。

「僕は、君が好きなんだ。離婚なんて、考えた事もない」

「………」

私が目を背けようとすると。

彼は私の手をぐっと握ってきた。

そして、さらに力強く言葉を重ねる。

「君を裏切るような真似はしていない」

「……信じられない」

「どうして?」

「……だって、言葉なら…何とでも言えるじゃない!!」

私は泣きそうになりながら、言い募る。

「私、あの時も訊いたよね? 『私と別れたいんじゃないの?』って」

「ああ、聞いた」

「でも、あなたはそんな気はないって…言った」

「ああ、そうだ。そんな気はさらさら無い」

英雄(インション)は断言するように答えた。

「……じゃあ、あのメールは!? あのメールは何だったの? どうして私にあんなメール送ってきたの?」

「あれは、僕が送ったメールじゃない」

英雄(インション)は意外な事を口にした。

「…え? だって、あのアドレス―――」

「ああ、確かに僕のスマートフォンから送られたメールだった」

「だったら!」

違うんだ、と英雄(インション)は強い口調で言う。

「僕のスマートフォンを勝手に使われたんだ!!」

「え!?」

意外な答えに、私は驚いた。



「勝手に使われたって、どういう、事?」

「多分、僕が仕事で一瞬席を外している時に、勝手に僕のスマートフォンを弄ったんだろう」

「…ホントに?」

「ああ。勿論経歴は消されてたけど。完全に消去は出来ないからな」

英雄(インション)はさらに続けた。

「あの日、君からメールを見せられて。ホテルの部屋に帰ってから、経歴を復活させたんだ。そしたら……」

「そしたら?」

「勝手に僕のアドレズで君宛に、あのメールが送られていたのがわかった」

「……ホント?」

「ああ。けど、僕は送っていない。だから一連の事を考えても、送ったのは、十中八九彼女―――Emily(エミリー)だ」

「じゃあ、本当の本当に、ただのイタズラ?」

その言葉に英雄(インション)は眉をひそめる。

「イタズラなんて、生易しいものじゃない! 悪質な嫌がらせ、ハラスメント(誹謗中傷)だ!!」



本当なら、嬉しい。

でも―――。

じゃあ、あの電話は?



「…あのね、じゃあ、あの、電話は?」

「電話?」

「うん。……私、あなたに電話したの。そしたら、彼女が電話に出て……。それで、」

「それで、どうした?」

私は涙目になりながら吐露しようとした。

「………」

けど、言葉が喉に詰まって出てこない。

「香桃(シャンタオ)? 話してくれ」

言葉に詰まった私を、優しく英雄(インション)が促す。

私は一度大きく深呼吸をしてから口を開いた。

「……言ったのよ。彼女が、あなたとそういう…関係にあるって」

「そういう関係?」

「だから!……あなたと恋人同士で。あなたはシャワー浴びているところだ、って」




英雄(インション)は目を見開いた。

「つまり、僕と彼女は一緒に寝る関係だ、って事か?」

「……うん」

「そんな事、ある訳ないだろ!!」

凄い剣幕で英雄(インション)は怒鳴る。

「私が言ったんじゃないもん!! 彼女が、そう言ったんだもん!!」

あまりの剣幕に私の目には涙が溢れる。

「香桃(シャンタオ)、僕はそんな事していない」

「…じゃあ、どうして彼女が電話に出たの?!」

少し間を置いてから、大きく溜め息を吐いた英雄(インション)が口を開いた。

「多分、僕の家に来たときだと思う」

「……どういう、事?」

「僕がデバッグ作業に追われて立て込んでいて、漸く休みがとれた時、彼女が必要な書類をメッセンジャーの代わりにアパートに持ってきた事があるんだ」

「じゃあ、その時?」

「ああ。彼女は『早く資料を渡したくて』と言っていた。だから、僕も何の疑いも無しに自分の部屋に彼女を通したんだ」

「……そう」

じゃあ、やっぱり彼女の嘘?

でも、彼女を部屋に入れたんだ。

その事に、やっぱり嫉妬してしまう。

自分の知らない所で、夫が部屋に女の人を入れていた。

心が狭いと思われるかもしれないけど、やっぱり嫌だ。

「香桃(シャンタオ)?」

急に黙り込んだ私に、英雄(インション)は顔を覗き込んでくる。

「……ううん、何でもない」

私は無理に笑顔を作る。

「そんな風には、見えないけど」

「……それより、さっきに話。それで、彼女は?」

「多分、僕がずっとカンズメで風呂にも入ってなかったから。コーヒーを出した後に、ちょっとだけシャワーに入ってた」

「……何で?」

私の唇は知らず知らずの間に震え出す。

「彼女、僕がシャワーを浴びてる途中で来たんだよ!! だから、彼女を対応するために慌てて出たから、彼女が言ったんだ。『風邪引くから先にちゃんとシャワーを浴びてきて』って。だから、数分、彼女を残して席を外したんだ」

「じゃあ、その時に彼女が……嘘を、言ったの?」

「多分な」

「……ホントに?」

「え?」

「ホントに何にもなかったの?!」

「ある筈ないじゃないか!」

「………」

「僕が信じられない?」

英雄(インション)は静かに言った。

「ううん、そうじゃない。そうじゃない、の」

「じゃあ、何だ?」

多分、彼の言う事が本当なのだろう。





でも。

女の人をアパートに入れた事が納得できてない。

私も入った事がないのに。

―――どうして?

「香桃(シャンタオ)?」

「……どう、して?」

「何?」

「…どうして、彼女を家に入れたの?!」

私は反射的に怒鳴り返していた。

「だって、そうでしょ? 英雄(インション)が家に彼女を入れなかったら、こんな事にはならなかった筈でしょ!?」

「香桃(シャンタオ)!!」

自分でも矛盾してるって、わかってる。

でも止められなかった。

だって、悔しくて、悲しくて。

「……ごめん、なさい」

「いや。君の言う通りかもしれない。僕こそごめん」

英雄(インション)は私に頭を下げた。

こんな事、させたかった訳じゃない。

本気で臍を曲げた訳じゃないのに。

私ったら。

「……ごめんね。英雄(インション)が悪い訳じゃないのに」

でも、彼は頭を上げない。

「英雄(インション)! もう良いから! 頭を上げて!!」

私が、ちょっと強引に英雄(インション)の顔に手をやって、頭を上向かせた。

「英雄(インション)?」

「……うん」

「もう私、怒ってないよ?」

「……ああ」

英雄(インション)はかなり落ち込んでいるようだ。

「本当にそうだ」

「え?」

「僕がちゃんとした態度を取らなかったから、こんな事になったんだ……」

「こんな事って?」

意味がわからなくて、首を傾げる。

「君が突き落とされた事だ!」

「あ……」

「君に怪我なんてさせたくなかったのに。こんな事になるなんて……」

「英雄(インション)……」

ううん。

私は大丈夫だったんだから!!

それに、この事がなかったら……私は知らないままだった。

あの事を―――。

「英雄(インション)、私は大丈夫だから! もう落ち込まないで!!」

「僕は昔からそうだ」

「何が?」

「肝心な女の気持ちが見えてないって所がさ……」

「そんな事!」

いや、と英雄(インション)は言葉を継いだ。

「以前も、あの時もそうだった。君を悲しませた……」

「………」

もういいの、英雄(インション)。

わかってる。

あなたはずっと言いたかったのよね?

―――そう、あの時から。

「ううん。もういいの、英雄(インション)。私こそ、ごめんなさい。あなたを責めたりして」

「いや……」

「あなたが、浮気してなんてしないってわかったのに。部屋に女の人を入れただけで、嫉妬しちゃって……」

「……妻なら当然の反応だ。僕が馬鹿だった」





馬鹿な私。

こんなに英雄(インション)は私の事を想ってくれているのに。

それが信じられなかったなんて。

でも、それは―――。



そう考えていると。

英雄(インション)がさらに言葉を連ねた。

「君の傍にいたい」

「え?」

「やっぱり―――君と離れたくない」

「いきなり何言うの、英雄(インション)!」

「こんな事になったのもの、君と離れていたせいだから……」

英雄(インション)にこんな事言わせるなんて。

私のせいだ。

「ごめんなさい、英雄(インション)」

「どうして君が謝るんだ!?」

「だって、私が皆悪いんだもの……」

「何を言ってる。君は何も悪くない! 悪いのは僕だ」

「ううん。あなたを信じなかった私が悪いの」

これからはちゃんと彼を信じよう。

英雄(インション)はいつだって、私を見てくれていた。

そう、いつだって―――。

「有難う、英雄(インション)」

私は唐突にそう言った。

「何がだ?」

「……ううん、何でも、ない」

「…そうか」

そう言って暫く口を閉ざす。

暫く、じっと私を見つめる。

そして―――漸く口を開いた。





「……思い出したのか?」

「え?」

「思い出してくれたのか?」

直感でわかった。

英雄(インション)は『あの事』を言っているのだ。

私はゆっくりと頭を縦に振る。

「……うん」

「じゃあ、本当に!?」

英雄(インション)の顔がこれ以上にないくらいの喜色に溢れて、明るくなる。

「思い出したわ……殿下」

「!?」

「あなたは、『高長恭』なんでしょ?」

私は彼の目を見てはっきりと言った。

すると彼は、ああ、と溜め息とも、肯定ともつかない言葉を漏らす。

そして、本当に嬉しそうに私を見た。

「本当に……思い出してくれたんだな」

「うん。自分の事も思い出した。あの衝撃で……」

「香桃(シャンタオ)、」

「私は『楊雪舞』って女の人だった」

「!?」





―――そう、私は『鄭妃(ていひ)・楊雪舞』。



蘭陵王・高長恭の妻だ。





「……英雄(インション)は知っていたのよね?」

「ああ。もうずっと前から……」

「じゃあ、『私』の事も気づいてたの?」

「……ああ、そうだ。出逢った時から」

「そんな前から!?」

驚く私に英雄(インション)は笑みを浮かべた。

「…僕は、以前の―――前世の記憶が、おぼろげに幼い頃…3歳くらいの時からあるんだ」

「そんなに早くから?」

「そうだ。だから、君を見た瞬間に―――すぐにわかった。君が『楊雪舞』だという事が……」

「『私』が、わかったの?」

ああ、と頷く。

「面影があったから、わかったんだ。それに―――」

「それに?」

「心が―――魂が『君だ』と叫んだんだ」

熱い眼差しで応えてくれた。

「……そう、だったの」

私は嬉しい気持ちを押し隠しながら、言葉を続けた。

「苦しくなかった? …だって、全然思い出さない私にイライラしたでしょ?」

―――いつまでたっても思い出さない私に、苛立ったりしなかったのだろうか?

英雄(インション)は少しだけ、悲しそうな表情をする。

「そうだな。欠片でも君の瞳に『僕』が映らないかと…思い出してくれないかといつも思っていたし、確かに苦しい時もあった。辛い思い出も沢山あったから。…でもいつかは、思い出してくれると信じてた」

「………」

「もう、ずっと待っていた。君は……忘れようとしても忘れられなかった女の子だったんだ。ずっと探してた―――ずっと会いたかった」

「じゃあ……」

「ん?」

「……私だけ、私だけを見ていてくれたの?」

彼は笑顔で答える。

「ああ。僕は、ずっと君を見つめていたんだ」

本当に?

私は目で問いかける。

すると、彼は優しけに目を細めて告げた。

「だって、『雪舞』は君で。君は『雪舞』だろ? 僕が君以外見る訳ないだろ?」





それじゃあ、英雄(インション)が私の後ろに見ていたのは。

時々、英雄(インション)が私の中に見ていた幻は。





もう一人の私―――『楊雪舞』だったのだ。





そんな事にも気づかず、自分自身に嫉妬していたなんて。

クスっと笑いが漏れる。

何て馬鹿な私。

「どうした、香桃(シャンタオ)?」

「ううん、何でもない。ただ嬉しいだけ……」

私は私自身に嫉妬してだけだなんて。

クスクス笑う、私の顔に英雄(インション)が手を滑らす。

「英雄(インション)?」

「出逢えてよかった」

「え?」

「僕は、誰よりも早く君を見つけたかった。誰よりも先に君を見つけるために―――生まれ変わったんだ」

「!!」



―――本当に?



心が落ち着かない。

心臓が早鐘のように痛いくらい激しく鳴っている。

「過去、僕は君を不幸にしてしまった」

「そんな事、」

いや、と英雄(インション)は続ける。

「君を、妻を大切にすると誓ったのに。君を泣かせてばかりだった。……何より、誰より幸せにしたかったのに」

―――ううん、私は幸せだった。

私は目で訴える。

「そして、辛い思いをさせたまま、君を死なせてしまった」

「英雄(インション)!」

「……だから、生まれ変わったら。今度こそ君を幸せにしたいと思ってきた。それだけが願いだった」

その彼の言葉に嬉しさが降り積もり、私の目からは、ぽろりと涙が流れた。

英雄(インション)は―――彼はずっと私だけを求めてくれていたのだ。

そして、私を求め、幸せにするためだけに生まれ変わってくれた。

寄り添い、ずっと傍にいてくれた。





何て事だろう。

そんなにまで私の事を想ってくれていたなんて。

少しでも疑った私が馬鹿だった。

私は堪らなくなって、傍にいる英雄(インション)に抱きついた。

「英雄(インション)、英雄(インション)、英雄(インション)!!」

すると、彼は優しく抱き締め返してくれる。

「僕はここにいる。いつも、君の傍にいる。ずっと―――」

「ホント?」

「ああ。絶対に……」

「嬉しい!」

私は泣き笑いの笑顔で彼に答える。

すると、彼が呟く。

「香桃(シャンタオ)。まず、これだけは言いたい」

「何?」

「僕の妻は―――君だけだ」

「英雄(インション)……」

そう言うと、英雄(インション)は唇に触れるだけのキスをしてきた。

優しいキス。

忘れかけていた感覚に、暫し酔い痴れる。

―――ああ、間違いなく英雄(インション)だ……

そして、ふっと、キスが解かれると。

私は少しはにかんだような表情をしてしまった。

だって、嬉しいんだもん。

やっぱり、英雄(インション)は英雄(インション)だ。

私を裏切ったりしない。

そして、私だけを見つめてくれている。

それが嬉しくて。

彼に触れられるのが嬉しくて。

だって、そうでしょ?

彼が、英雄(インション)の事が、大好きなんだもん。

私は、嬉しい気持ちのまま、英雄(インション)の目を覗き込み尋ねた。

「ずっと傍に居てくれたの……?」

「そうだよ。ずっと君だけを見つめてきた」

「………」

「僕には君だけだ。僕の魂は、いつだって―――君だけを求めてる」

―――有難う。

だから、私も応えた。

「『あなたになら一生、束縛されてもかまわない』―――今生でも、この世が続く限り、それは変わらないわ」

それは、あの時―――婚儀の時に誓った言葉。

すると、彼はこれ以上にない程、顔をほころばせ白い歯を見せながら笑う。

そして、私を力一杯抱き締めた。

「嬉しいよ、香桃(シャンタオ)!!」

もう、離れたくない。

離れられない。

もっと、もっと傍にいたい。

そう思い、口にする。

「幸せ」

「そうだな。僕も幸せだ」

「もっと傍にいたい」

「そうだな。僕もそうだ……」

でも、現実はそうはいかない。

私は上海に帰らなければいけない。

折角、心が通じ合えたのに。

少ししょんぼりしてしまった私に彼は優しく囁いた。

「でも、慌てずに行こう?」

「え?」

「今の僕達は、時間がある。だから、もっとたくさん幸せになろう」

英雄は笑顔で言った。

「過去、僕達は一緒にいれた時間が短すぎて、君を充分に幸せにできなった。だから、今度こそ―――」

「今度こそ、何?」

「心から幸せにしたい」

その言葉が心に染み渡る。





―――嬉しい……

こんなに彼に大事にされて。

そして愛されて。

―――ああ、どうしよう。ホントに幸せ。ずっと、永遠に一緒にいたい。

「有難う、英雄(インション)……」

呟くと、彼は私の手の甲にキスしてきた。

そして私に、ある物を首にかけた。



「あ、」

あのパドロックペンダント。

驚いて彼を見ると、笑いながら彼は言った。

「あの時、君が握り締めていたんだ」

―――そうだったんだ。よかった…

私は安心して、また涙が零れた。

すると、泣いている私に彼が囁く。

「愛してる、香桃(シャンタオ)」

「私も……」

そう、愛してる。

もう、ずっと愛してきた。

知らなかった私の過去も、彼が全て愛してくれていたように。

私もこれからずっと英雄(インション)を愛していく―――そう心に誓った。



漸く知ることができた過去。

そして、巡り合った未来。

やっぱり、私たちが出逢ったのは運命だったんだ。

そう心から感じられて―――嬉しい。

心が満たされる。

もう、失いたくない時間。

二人で暖かい時間を過ごしていきたい。

そう心から思ったのだった―――。


*** *** ***


「じゃあ、結局俺は君たちのキューピットだったって訳か」

そう呟いたのは黄徳聖(ファン・ダーション)だ。

数か月後、体調も元に戻り無事に上海に帰ってきた私に、彼は会いにきてくれていた。



「えへへ、そうかも……」

私は嬉しげに、同じく会いに戻ってきてくれていた英雄(インション)と腕を絡ませながら応える。

「僕と香桃(シャンタオ)の為に色々、有難うございました」

英雄(インション)も笑顔で礼を言った。

「何だかな。俺はそんなつもりじゃなかったんだが……」

「そんな事を言っても無駄だよ。香桃(シャンタオ)と僕が結ばれるのは、運命なんだから」

「…よく言うよ。香桃(シャンタオ)を泣かせたくせに」

ちくりと嫌味を口にした。

「それは……」

英雄(インション)が閉口する。

「もう、それは良いんです!! 誤解だったんだから」

私は英雄(インション)の肩を持つ。

「ああ」

「……ラブラブに戻った訳か」

「そうですよ! 英雄(インション)と私は仲良し夫婦に戻ったんです」

嬉しくなって私は答えた。

「あ~あ。これじゃあ折角、香桃(シャンタオ)を落とそうと思ってた計画が台無しだ」

徳聖(ダーション)はそう言ってため息を吐いた。

「え?」

「も、もう、それは良いんです! 冗談は止めてくださいっ!!」

慌てて私は言い募る。



すると。

冗談なんかじゃない、と徳聖(ダーション)は呟く。

そして、いきなり私の顎を掴んだ。



―――え、何?

そう思った瞬間―――キスされてしまっていた。



「「なっ!!?」」

「ごちそうさま」

徳聖(ダーション)は片目を瞑り、にやりと笑った。

「何するんだ!?」

英雄(インション)は本気で怒ってる。

「譲ってやったんだから、これくらいは、安いもんだろ?」

さらりと言う徳聖(ダーション)。

「本当は、俺が香桃(シャンタオ)を頂く予定だったし」

「徳聖大哥(ダーション・ターゴー)!!」

私は慌てた。

「……やっぱり徳聖(ダーション)は、香桃(シャンタオ)の事が好きだったのか」

ぼそりと英雄(インション)が呟く。

「まあな。狙ってた」

にやりと笑いながら、徳聖(ダーション)は応えた。

「も、もう、徳聖大哥(ダーション・ターゴー)!!」

―――何で、そんな事言うの!

困るような事言わないでよ。

私は一人でわたわたしていた。

でも、徳聖(ダーション)は私に向かって、口の端を片方だけ上げて見せると、呟いた。

「…本気だったんだぞ? 俺は」

「え?」

「まだ信じてなかったのか?」

「………」

「俺は本気で、君が好きだった」

でも、と言葉を続けた。

「心が得られなきゃ、意味がない」

「あ……」

「だろう?」





確かにそうだ。

いくら相手を好きでも、心が、気持ちが得られなければ、意味がない。

それに、私はいくら好かれても。

英雄(インション)しか好きになれない。

彼の想いに応える事はできない。

「……ごめんなさい」

私は徳聖(ダーション)に頭を下げた。

「…こればかりは、しょうがない。それに―――予想はしてた」

徳聖(ダーション)は苦笑すると、英雄(インション)の方を向いた。

「英雄(インション)、」

「何だ?」

「香桃(シャンタオ)をもう絶対、泣かせるなよ」

真剣な目で言う、徳聖(ダーション)に私は目を見開く。

「……ああ、わかってる」

英雄(インション)は力強く頷きながら応えた。

「二度と泣かせないと誓う」

「………」

その言葉に徳聖(ダーション)は、笑みを浮かべた。

「安心したよ。……やっぱり好きな女の子には幸せでいてほしい。泣いている姿は見たくないからな」

香桃(シャンタオ)、と呼びかけてきた。

「何?」

「今度こそ、ちゃんと幸せになれよ?」

「……はい」



―――有難う…



温かい言葉に涙が溢れそうになった。

すると、彼はフッと笑い。

もう泣くな、と私の頭をくしゃくしゃに撫でた。

「や、ちょっ、止めてください!!」

ちょっとムキになって声を上げると、彼は声を上げて笑った。

「ははは、やっぱり君は笑顔にはそういう顔が似合う」

「もう!」

ちょっと剥れたふりをする。

すると、彼が続けた。

「…じゃあ、俺は帰るな」

「え?」

驚く私に、さらに笑いかけた。

「もう、俺がいなくても大丈夫だろ?」

「………」

「…それに、これ以上いても、な」

「あ、でも……」

「これ以上、お邪魔虫にはなりたくない。邪魔者はさっさと退散するよ」

そう言って、彼はその場を去っていく。

私は、今まで力になってくれた彼に、何が礼をしたくて。

でも、どうすればいいのかわからなくて。

咄嗟に叫んだ。



「徳聖(ダーション)」―――と。



すると、彼は驚いた風にこちらを見た。

「徳聖(ダーション)、ホントに有難う!!」

私は笑顔で手をふりながら、叫んだ。



今まで呼び捨てにはできなかった―――ファーストネーム。

そうしたら、彼は今まで見たことない程の笑顔を見せた。





―――わ、素敵……

私は一瞬言葉を失う。

でも、彼が手を振ってくれたので、私も大きく手を振り返した。

ホントにいい人だったな。

そう思っていると、英雄(インション)が不機嫌そうに言葉を呟く。

「……ちょっと今、彼に見とれただろ?」

ぎく!!

バ、バレてる。

「あはは…」

私は咄嗟に笑って誤魔化した。

すると、英雄(インション)は私を力一杯抱きしめてきた。

「わ、何!?」

「君は僕のものだ!!」

「英雄(インション)……」

そんなの当たり前なのに。

英雄(インション)は、ちょっとまだ徳聖(ダーション)に嫉妬しているみたい。

「やきもち、焼いてる?」

「当然だろ!? 奴は君にキスまでしたんだぞ!!」

あ、そう言えばそうだった。

でも、あれは―――。

今回は許してあげてほしい。

だって、彼は凄く私を助けてくれたんだもん。

そう思って、英雄(インション)に言った。

「もう、あれはいいじゃない!! 私の気持ちはあなたのものなんだから!!」と。

でも、英雄(インション)はまだ眉間に皺を寄せてる。



―――もう、困った人。

そう思いつつも嬉しくなって、私は背伸びした。

そして、英雄(インション)の唇に軽くキスをする。

「!?」

「うふふ……」

「香桃(シャンタオ)?」

「今日は特別! これで機嫌直して?」

すると、彼は笑顔を見せた。

「……ああ」

「私が好きなのは、英雄(インション)だけだよ?」

「ああ」

笑顔を深くして、英雄(インション)は応えた。

「僕も、君だけが好きだ」

「うん」

私が返事を返すと、彼はまた抱き締めてきた。

「え、え!?」

「大好きだ!!」

子供みたいに無邪気な言葉で告げると、英雄(インション)は力一杯抱き締める。



―――嬉しい…やっとこの腕の中に還ってこられた。



私も安心して、彼に体を預けた。

幸せ。

彼の腕が。

声が。

背中が。

ここにあって。

私に囁いてくれる。



彼は私にとっての―――空。

そして、太陽。



沢山の彼の体温を感じて。

鼓動を聞いて。

堪らない幸福感に包まれていると。

彼が口を開いた。

「僕は、香桃(シャンタオ)だけは失いたくない。君がいないれば、全てが色を失う。―――セピア色だ」

「!?」

「今度こそ、君と幸せになりたい」

「……うん」

「過去、僕たちは一緒に居れた時間が短かった。…君を失った時、もう世界などいらないと絶望した。僕は―――世界を失った。全てが壊れてしまえばいいとさえ思った……」

「………」

「でも、今は一緒に生きて居られている。だから、この幸せを―――大事にしたい」

だから、と彼は言葉を続けた。

「これからは…ずっと一緒に居たい。死ぬまで、ずっとだ」

「…うん」

私もそうだよ。

もう、離れたくない。

「英雄(インション)…」

私は彼の胸に顔を埋めた。

「時間をかけて、ゆっくり歩いていこう」

「うん」

「世界がかわっても、時が流れても、この想いは一生変わらない」

「うん」

「100回生まれ変わっても、100回君に恋するよ」

「!!」

「愛してる、香桃(シャンタオ)」

彼がそう言うと、私も返事を返した。

「私も、愛してる」―――と。

大好きな、英雄(インション)。

私を見つめてくれる目も。

弾けるような笑顔も。

だから、変わらないでいてね―――。


私たちは自然と唇を合わせ、二人で居られる幸福感に満たされいたのだった―――。


*** *** ***


それから暫くして、私たちはあの丘へ向かった。



そう、彼―――高長恭が、私『楊雪舞』を埋めた場所。



吹き抜ける風に身を任せ、目を閉じた。

―――ああ、ここに『私』が眠っているのね……

すると、彼が私の腕を強い力で握ってきた。

「……どうしても、ここにまた二人で来たかったんだ」

「英雄(インション)……」

彼はポケットから箱を取り出し、私の手をとって薬指に指輪を嵌めた。

「……え? これって……」

驚く私に彼は言った。

「エンゲージリングだよ。遅くなってごめん」

その指輪は、とても綺麗な指輪で。

雑誌で見たようなものだった。

「綺麗だね……」

「ああ、香桃(シャンタオ)が、いつか見てた雑誌に載ってたやつだよ」

―――それって、ヴァンクリの……

「嬉しい……」

「香桃(シャンタオ)」

エンゲージリングが嵌った私の手を英雄(インション)が握り直す。

「……僕は君が好きだ」

「う、うん」

「何をしてくれないてもいい。傍に居てくれるだけでいい。……僕が抱き締めたいのは、傍にいたいのは、世界でたった一人、君しかいない」

そう告白してくれた。

―――うん。

私も好きだよ。

この先もずっと傍にいたいと思ってる。



そう返事をしようとした時―――。

彼が言ってくれたのだ。



「結婚してください、李香桃小姐(リ・シャンタオ・シャオジエ)」



―――え!?

プロポーズ!

もう一度、プロポーズしてくれてるの?



でも、私の口から漏れ出た言葉は、可愛くないものだった。

「……もう、結婚してるじゃない」

「ああ。でももう一度、ちゃんとここで、プロポーズしたかったんだ」

そう言って、英雄(インション)は笑った。

その告白に目を見開く。

―――嬉しい……



私は胸がいっぱいになる。

こんな嬉しい事ってあるかな。

なかなか言葉が出ない私に、彼が囁く。

「香桃(シャンタオ)、返事は?」

「……う、うん。あ、りがとう、嬉しいよ」

ぽろりと涙が零れる。

「香桃(シャンタオ)?」

「ち、違うの、これは嬉しいから、出てきたの」

そう言うと、彼は優しく抱き締めてくてた。

その身体が暖かくて、安心できたから。

また涙が頬を伝うのだった―――。





ここまで色々な事があったな。

最近思う。

嬉しい事と悲しい事は、人生けっこうバランスよく用意されているんじゃないかって。

だから、今日も幸せを噛みしめていられる。

だって―――。

いつも愛していたいもの。

いつも触れ合っていたいもの。

彼だけを―――愛しているから。

そう思いながら、私は椅子に腰かけていた。

すると。

コンコンと、ドアをノックする音が聞こえた。

「はい」

「僕だ。……入ってもいいか?」

「うん、いいよ」

私が答えると、英雄(インション)が部屋に入ってきた。

そして、私を見るなり、目を見開く。

「どう?」

「……うん。凄く綺麗だ……」

頬を紅潮させた英雄(インション)が答える。

私は純白のウエディングドレスに身を包んでいた。

「ホントに?」

「本当に決まってるだろ? フォト―――結婚写真の時も綺麗だったけど、今の方がもっと綺麗だ」

私は嬉しくなって、微笑みながら応えた。

「そういう英雄(インション)もカッコイイよ」

彼も、私に合わせてのグレーのタキシード。

ホントはフロックコートも似合っていてカッコよかったんだけど。

私のドレスに合わせてくれたのだ。

私のウエディングドレスは、ビスチェタイプで、タッキングから豊かに流れるフレアラインで、リズミカルに重なり合うフリルが凄く可愛いドレス。

それに、憧れていたマリア・ベールも。

縁取りのレースがとても綺麗。



あの事件から、2年後―――。

私たちは漸く『黄道吉日』の今日、結婚式を挙げる事になった。

その前に、彼は中国結婚式の伝統「迎新婦」もしてくれたし。

訂婚宴はもちろん、結婚写真―――フォト・ウエディングもきちんと撮った。



けど。

本当に色々な事があったな。

悲しい事。

辛い事。

苦しい事。

でも、それはすべて繋がっていたんだ。

そう『過去から未来へ』繋がっていたんだ。

私が、英雄(インション)と出会ったのもの、運命だったんだ、って思える。

確かに、過去の私―――『楊雪舞』は悲しい思いを沢山した。



けれど、だからこそ今がある。



そう思っていると、英雄(インション)が問いかけてきた。

「香桃(シャンタオ)?」

「……ううん、何でもない」

笑顔で答えると、彼は言った。

「さあ、行こうか?」

そう言って、彼は私の持つあの思い出の花―――流星球花と40本の大小の白いバラで彩られたブーケに触れてきた。



40本の白いバラ。

40本のバラ―――――――死ぬまで変わらぬ愛と、天真、純潔と言う意味。



そして、『流星球花』。



そう―――この花はとても大事な花だから。

彼の胸元―――ブートニアにも、私のヘッドドレスにも付いている。



私と彼―――『楊雪舞』と『高長恭』を結びつけた花。



彼がこの日の為に摘んできてくれたのだ。

この花をもう一度、彼から貰えるなんて、本当に幸せ。

そう思いながら、彼の手に私の手を重ねた。

そして、「うん!」と、私は、元気よく返事を返したのだった。


*** *** ***


私はパパの腕に手を絡ませ、ガーデン・チャペルの中をゆっくり進む。

横を見ると、伴郎・伴娘の、黄徳聖(ファン・ダーション)や劉恵琳(リュウ・フェイリン)の微笑んでいる姿が見える。

他にも、沢山の花で飾られた列席者の席に民雄(ミンション)や、沢山の友達も。

そして―――。



目の前には、大好きな英雄(インション)の顔も。



とても嬉しそうで幸せそうな笑みを浮かべてる。

私も凄く幸せで、涙が溢れてきた。

彼は、パパから私の手を取ると。

私たちは自然と見つめ合った。

厳かな雰囲気の中、式では神父の言葉が響く。

私は真剣にその言葉に耳を傾けていた。

すると、彼はそっと囁いてくる。



「これで二度目の結婚式だな」

「…うん」

「あの時と同じだ」

「え?」

「高長恭と楊雪舞の時だよ」

「あ!」



そうだった。


あの時も―――二度婚儀を挙げたんだった。


こんな『偶然』ってあるの?


ううん!

『偶然』なんかじゃない。

これは『運命』―――『必然』なんだ。

私は嬉しくなって、ふふっと笑みを漏らした。

すると、彼が耳元で囁いてきた。

「香桃(シャンタオ)……」

「何?」

「愛してるよ」

「………」

「僕の明日は、未来は、君の―――君だけものだ」

「!!」

―――…うん、私も。

嬉しい気持ちのまま、私は、彼に言った。

「私もよ、殿下……」と。

ねえ、王子様。



―――『王子様』?
―――そう呼んでもいいでしょ?
―――世界をバラ色に変えてくれた、大好きなあなた。


END.

*********************************

ここまで読んで頂き、有難うございましたww
【過去ツナグ未来】シリーズ、完結です☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
お付き合い頂きありがとうございました!!

このお話は、現代に転生した蘭陵王と雪舞のお話でしたww
でも、雪舞こと、李香桃(リ・シャンタオ)には、前世の記憶がありません。
それでも、英雄(インション)は、香桃(シャンタオ)を求める気持ちが膨らんでいって…。
終いには、学生結婚までしちゃいます。

ですが、香桃(シャンタオ)は、色々な英雄(インション)の言動で、不安になってみたりして。。。
結婚してても、片思い的な関係です(お互いに…ね)。
だって、自分の後ろに『誰か』を見てる英雄(インション)にも、やきもち焼いたりして(でも、それは自分(=雪舞)だったというオチ(*^。^*)

それに、黄徳聖(ファン・ダーション)や、Emily陳(エミリー・チャン)などのお邪魔虫も出てきたりして。。。

ですが、黄徳聖(ファン・ダーション)は根は良い奴にさせて頂きましたww
お分かりの方もいらっしゃるかと思いますが。

実は宇文邕の生まれ変わりでーーーーす(*´v`)
黄徳聖(ファン・ダーション)=黄(黄色は皇帝の色で、黄(ファン))徳聖は徳があり、聖なる皇帝の意味ですwwで、名前が徳聖(ダーション)とつけましたww

一応徳聖(ダーション)は、過去の記憶はありません。
が、好みは過去のを引きずっておりますww
だから、香桃(シャンタオ)に目をつけちゃいました(ノ)’∀`(ヾ)
やはり香桃(シャンタオ)には、惹かれちゃうんですよね~ww

そして、拘りのシーン。。。
英雄(インション)と香桃(シャンタオ)が、雪舞を埋葬した所で、プロポーズするシーンと二回結婚をするシーン!!
「これは絶対外せないっっ!!」とネタを考えていた当初から考えていたラストですww
そして、、、最後は本当に幸せカップルになった二人なのでした+.(*'v`*)+

腐腐腐、最後、「王子様」と「皇子様」をかけられましたしww
めっちゃ満足です(*’U`*)

や、、、かなり途中難産でしたが、お付き合い頂けて、めっちゃ嬉しかったです(*^_^*)
皆さま、有難うございました♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪

また次回は違った「蘭陵王」SS書かせて頂きますo(≧ω≦)o

*小姐(シャオジエ):中国語で「(未婚の女性に対する)お嬢さん、おねえさん」というような意味。「~さん」みたいな感じですね。ここでは、既婚してるけど、もう一度プロポーズしてるシーンでしたので、あえて『小姐(シャオジエ)』と呼ばせております。

*訂婚宴:婚約披露宴の事。写真集作成や婚約式、結婚式及び結婚披露宴、新婦披露宴という三回の式典など、台湾独自の慣習が伝播し、香港や中華圏で普及.していった模様です。ウェディング写真集は新郎新婦が結婚前にドレスや特殊な衣装で着飾って、専用スタジオや浜辺などのロケ地で撮影した写真をまとめたもので、ウェディング・フォト・サービスとも呼ばれます。

*迎新婦:中国結婚式の伝統「迎新婦」とは、新郎がアッシャー(伴郎)と一緒に新婦の実家に迎えに行き、ブライズメイド(伴娘)に出されたミッションをすべてクリアし、ブライズメイドに「紅包」(=祝儀)を渡して"賄賂"を贈ってから新婦をもらえる事を指します。

*黄道吉日:縁起が良いと言われる「黄道吉日」。

*伴郎・伴娘:アッシャー&ブライズメイドのこと。その日1日中、新郎新婦について様々なお手伝いをする役で、中国語では「伴郎・伴娘」と呼ばれます。友人が務めることが多いので、指名されたら快く引き受けた方がいいそうです!

*バラの数:中国では、贈るバラの種類や数には深い意味があるそうです\(◎o◎)/!凄いですよ、1001本まで意味があります。なので、ここで紹介させて頂きます。

・赤いバラ――熱烈な愛、情熱、愛しています
・ピンクのバラ――――――愛の宣誓、永遠の愛
・黄色いバラ(中型)――――あなたには誠意がない
・白いバラ――――――――天真、純潔


・1本のバラ――あなただけ、ONLY YOU!
・2本のバラ――世界は2人だけ!
・3本のバラ――我愛?、I LOVE YOU!
・4本のバラ――至死不渝、死ぬまで変わらない
・5本のバラ――心から嬉しく思う
・6本のバラ――互敬、互愛、互諒!(互いに思いやる)
・7本のバラ――ひそかに愛していました!
・8本のバラ――お心遣いとご支援、激励に感謝します
・9本のバラ――いつまでも、ALWAYS!
・10本のバラ――十全十美、非の打ちどころがない
・11本のバラ――最愛、あなた一人だけ
・12本のバラ――愛が日増しに強くなる!
・13本のバラ―――――――友情は永遠に!
・14本のバラ―――――――誇りである、誇らしい
・15本のバラ―――――――すまなく思う、I'M SORRY!
・16本のバラ―――――――落ち着かない愛
・17本のバラ―――――――絶望的で挽回できない愛
・18本のバラ―――――――誠意ある告白
・19本のバラ―――――――忍耐と期待
・20本のバラ―――――――真心あるのみ
・21本のバラ―――――――真実の愛
・22本のバラ―――――――幸運をお祈りします!
・25本のバラ―――――――お幸せを祈ります!
・30本のバラ―――――――ご縁を信じます!
・36本のバラ―――――――ロマンチック
・40本のバラ―――――――死ぬまで変わらぬ愛
・50本のバラ―――――――偶然の巡り会い
・66本のバラ―――――――細水常(長)流、 細い水は常に(長く)流れる
・88本のバラ―――――――用心弥?、フォローに気をつける
・99本のバラ―――――――天長地久、FOREVER!
・100本のバラ――――――100%の愛
・101本のバラ――――――最愛
・108本のバラ――――――求婚
・144本のバラ――――――??生生世世、何度生まれ変わっても君を愛する
・365本のバラ――――――毎日、君を思う
・999本のバラ――――――天長地久、FOREVER!
・1001本のバラ―――――永遠に

です。
……これを知って、かなり驚いた立夏です((((;゚Д゚)))))))
1001本まで意味あるって、凄いです(。Д゚; 三 ;゚Д゚)
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立夏
Admin: 立夏
関西在住の雑食オタ女。
同人活動もやってますが、只今台湾(華流)ドラマ「RAN陵王」に超夢中ww
さらに最近「三生三世枕上书」にも沼ってます!

「RAN陵王」中毒気味です。
おかげで、蘭雪で2次SSやイラストを書き出す始末(笑)
設定は、一応原作中心です。

他にも他ジャンルのSSがあったり、ドラマの感想・本・マンガなどの感想を中心に色々書いてます。
https://twitter.com/SyndromZeroxx
蘭陵王SS(高長恭×楊雪舞)